【鹿児島・国分酒造】100%芋で仕込む“いも麹 芋”──焼酎に宿る「素材を信じる心」

「えっ、焼酎って“芋だけ”でできるんですか?」
初めて聞いたとき、思わず口に出してしまいました。
鹿児島・霧島市にある国分酒造が造る『いも麹 芋』──それは、芋100%で仕込む、まさに“芋の魂”そのものの焼酎です。
普通の焼酎は、麹に「米」を使うのが常識。
でもこの蔵は、それを思い切って手放しました。
「芋の香りを、もっと引き出せるはずだ」と信じて。
まさに、素材を信じる職人の勇気から生まれた一本です。
🍠 蔵の空気に満ちる“芋の呼吸”

蔵を案内してくれた笹山さんの言葉が忘れられません。
「芋を寝かせると、香りが出るんです。焦らず、芋の声を聞くように」
その言葉にハッとしました。──まるで肉を熟成させる時と同じ感覚。
“待つことで、香りが立ち上がる”んです。

見学中、静かに座って蒸留器を見守る男性がいました。
仙人のような風格を漂わせるその方が、全量芋仕込みを生んだ杜氏・安田宣久氏。
その優しい眼差しは、まるで我が子を見るように焼酎を見つめていました。
🌱 「蔓無源氏」という名の奇跡

国分酒造が大切に使っている芋──それが「蔓無源氏」。
一度は途絶えたこの芋を、たった10本の苗から復活させたそうです。
その芋が、今こうして焼酎となって命をつないでいる。
「伝統」と「革新」が、ひとつの蔵で共に息づいていました。
💧 味を決めるのは“水”──仕込み水の力

帰り際、蔵の仕込み水を一口いただきました。
澄んだ冷たさの中に、柔らかい甘味が広がる。
地元の方々もタンクを持って汲みに来るほど、愛されている水です。
この水があるからこそ、『いも麹 芋』は優しく、すっと喉に沁みていく。
🥃 鹿児島の夜に出会った「黄麹蔵」

夜、鹿児島中央駅の焼酎専門店で出会ったのが、国分酒造「黄麹蔵」。
店員さんにおすすめを聞くと、迷わずこれを差し出してくれました。
「あの安田さんの蔵ですよね!私も大ファンなんです」と笑うその声に、思わず頷きました。
この蔵には、人の心を動かす何かがあるんです。
🔥 焼酎と焼肉──“素材を信じる哲学”でつながる
焼酎づくりも、塩焼肉も、答えはひとつ。
「素材を信じる」ということ。
余計な味付けをしないからこそ、素材の生命力が浮かび上がる。
いも麹焼酎の奥深い香りは、まさに“塩焼肉の火入れ”と同じ哲学なんです。
芋を信じる職人。
肉を信じる職人。
それぞれの“手間”が、旨味を育てていく。
🍶 三階松で「いも麹 芋」を


この旅で出会った焼酎『いも麹 芋』入荷次第販売
『黄麹蔵』は、三階松でもご提供しています。
塩で味わう赤身肉との相性は抜群。
ひと口飲むと、焼酎が持つ“芋の甘い香り”が、炙られた肉の香ばしさと溶け合います。
次に三階松にいらした際は、ぜひ一杯、
“芋を信じた焼酎”をお楽しみください。
和牛焼肉 三階松
店主 松下 和由
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