希少部位はなぜ希少なのか。
精肉店直営だから話せる、牛1頭買いの真実
少し驚くような数字をまずお伝えしましょう。黒毛和牛1頭(生体重600〜700kg程度)から取れる精肉の総量は、おおよそ300〜350kg。そのうち「ミスジ」と呼ばれる部位はわずか1〜2kg、「トモサンカク」も同程度、「コウネ(首周り)」にいたっては1頭からほんの数百グラムしか取れないことがあります。つまり1頭の牛から取れる希少部位は、多くて全体の1〜2%にも満たないのです。
私は2代目・松下稜真として、昭和10年創業の老舗精肉店「松下精肉店」の仕事を幼い頃から見てきました。この記事では、精肉店の目線から正直に、希少部位とは何か、なぜ希少なのかを書いてみます。
- 「希少部位」という言葉を聞いても違いがよくわからない方
- 焼肉に行くなら本当に美味しいものを食べたいと思っている方
- 接待や記念日の食事に「ただの焼肉」ではなく体験価値を求めている方
- 牛1頭買いのこだわりがある店を探している方
- 蒲郡・三河エリアで食の背景を大切にする焼肉店を探している方
希少部位とは何か?そもそも「部位」はいくつあるのか?
一般的に焼肉店のメニューでよく目にするのは「カルビ」「ロース」「ハラミ」「タン」の4種類ほどです。ところが実際には、牛1頭からは実に数十種類以上の部位が取れます。「希少部位」と呼ばれるのは、主に一頭から取れる量が極端に少ない部位のことです。しかしそれだけではなく、切り方の技術が必要なこと、形が不揃いで流通させにくいこと、知名度が低く需要が読みにくいことも「希少」の理由になります。
「希少」には二つの意味があります。絶対量が少ないこと、そして流通に乗りにくいこと。この両方が重なった部位こそが、精肉店直営の焼肉屋だからこそ出せる一皿になります。
なぜ精肉店直営でないと希少部位は出せないのか?
「希少部位があります」と書いてある焼肉店は、それほど珍しくありません。しかし「牛1頭を丸ごと買い付けて、自分たちで解体・加工している」という店は、ほとんど存在しません。
通常の焼肉店は、食肉卸業者から「カルビ用」「ロース用」といった形で仕入れます。当然、全体のごく一部しか取れない希少部位は、卸の段階で選別・分配されてしまい、一般の飲食店には安定して届きにくい仕組みになっています。
三階松が22年間、希少部位を継続して提供できているのは、昭和10年創業の松下精肉店が牛1頭買いを続けているからです。それが精肉店直営だから出せる希少部位の、本当の意味だと思っています。
- 希少部位が「希少」な理由は、絶対量の少なさと流通の難しさの両方にある
- 牛1頭買いをしていない一般の飲食店には、希少部位が安定して届かない構造がある
- 精肉店直営だからこそ、1頭丸ごとと向き合い、本物の希少部位を届けることができる
「A5ランク=おいしい」は本当か?格付けと味の関係を正直に話すと
希少部位の話をするとき、必ずセットで出てくるのが「等級」の話です。正直にお伝えします。A5という格付けは「歩留まり」と「肉質」の評価で、脂肪の交雑(サシ)の多さが大きく反映されます。見た目の美しさとしての評価は確かにA5が最高ですが、「おいしさ」とは必ずしもイコールではありません。
実際のお肉の旨さを決めるのは、脂の質・牛の育ち方・何を食べさせてきたか・どんな環境でストレスなく育ったか、という要素の積み重ねです。A4の牛でも、牧場の環境と飼料にこだわった1頭は、A5の平均的な牛より圧倒的に美味しいことがある。これは精肉店として何十年も牛と向き合ってきたからこそ言える話です。
三階松でお出しするみかわ牛も、等級だけで選んでいるわけではありません。育て方・産地・飼料のバランスまで含めて「これだ」と判断した1頭を買い付けています。格付けはあくまで参考。最後は、肉屋の目と経験が判断します。
「『A5=おいしい』と思っていたが、それは見た目だけの判断で、実際のお肉の旨さは脂が決めてということを教えてもらえた。」
「肉屋直営と聞いていたが、実際に希少部位の説明を受けて納得の美味しさだった」
希少部位を「体験」として届けるために、三階松がやっていること
希少部位を仕入れるだけでは、まだ半分です。その部位の「意味」をお客様に届けることで初めて、食事が体験になると思っています。
三階松の「肉屋の舟盛り(¥3,630)」は、希少部位4〜5種を盛り合わせた一皿です。ただ並べるだけでなく、それぞれの部位の名前・牛のどこにあるか・この部位ならではの脂の入り方・最も美味しく食べるための焼き加減・相性の良い塩の種類を、スタッフがご説明します。
40種類の塩バイキングも、この体験設計の一環です。石垣島の塩、屋久島の塩、岩塩、藻塩——塩ひとつで肉の甘みが変わり、香りが変わります。「この部位にはこの塩」という組み合わせを自分で発見していただく時間は、普通の焼肉では生まれない会話と発見を生みます。
焼く順番、火加減、肉の厚みにも、すべて理由があります。「なんとなく焼く」のではなく、「なぜそう焼くのか」を知った上で焼くことで、同じ肉でも味が変わる。それが三階松が「体験型焼肉」と呼ばれる理由です。接待や記念日に三階松を選んでいただくお客様が多いのも、こうした「説明できる料理」が、その場の会話を豊かにしてくれるからだと感じています。
三階松で希少部位を体験するなら、どのコースを選べばいいか?
初めて三階松をご利用になる方から、「どのコースが希少部位を一番楽しめますか」とよく聞かれます。目的別にご案内します。
まとめ:「希少」には理由がある。その理由ごと味わえる店が、三階松です
希少部位が希少である理由は、数字だけで語れるものではありません。1頭の牛と向き合う仕事、切り分ける技術、流通に乗せない判断、そしてそれをお客様に届けるための言葉——その積み重ねがあって初めて、希少部位はテーブルの上に現れます。
昭和10年創業の松下精肉店を礎に、和牛焼肉三階松は22年間、「肉を売るのではなく、意味のある時間を届けたい」という想いで肉と向き合ってきました。「なぜこの部位なのか」「なぜこの塩なのか」——その答えを持っている店でしか生まれない体験を、蒲郡からお届けし続けます。
| 店名 | 和牛焼肉 三階松(わぎゅうやきにく さんがいまつ) |
|---|---|
| 住所 | 愛知県蒲郡市港町9-9 |
| 電話 | 0533-67-0129 |
| アクセス | JR・名鉄蒲郡駅 南口より徒歩約3分 |
| 営業時間 | ランチ 11:30〜14:00(完全予約制・前日までに要予約) ディナー 17:00〜22:00(最終入店21:00) |
| 定休日 | 月曜(火曜はランチ休み) |
| 駐車場 | 専用9台(無料)、近隣コインPあり |
| 個室 | 8〜10名 / 20〜30名(5,900円以上・8名以上で個室料無料) |
三階松をお選びいただける日を楽しみにしております。
JR蒲郡駅南口より徒歩約3分 / 専用駐車場9台
火 17:00〜22:00 / 水〜日・祝 11:30〜14:00・17:00〜22:00(月曜定休)
※ランチは前日までの完全予約制(予約のない日は休業)


