2026年5月 店主日記
往復10時間、雨の縄文杉登山。
屋久島2日目 翌朝4時20分出発
翌朝4時20分、バスに乗って縄文杉登山に出発しました。
朝起きると、雨がパラパラ。やはり天気予報通りです。本降りになるのは11時から——屋久島は一か月に35日雨が降ると言われる島。降って当たり前です。
ガイドさんの一言で空気が変わった
登山口で朝食を済ませ、いよいよ出発。そのとき、ガイドさんに言われた一言で、一気に空気感が変わりました。
観光登山のつもりでいた気持ちが、一瞬で引き締まりました。百戦錬磨のガイドさんでも、緊張感を持って臨む登山なんだと。
雨だから残念とネガティブになるか、雨ならではの風景を楽しむか——考え方ひとつで、楽しい登山になるか、嫌な気分の登山になるか。
雨の屋久島はコケが生き生きとしてとても綺麗でした。川は濁流となり、一歩間違えば命を落とす危険がある。でも、雨の日でしか見られない自然の力強さがそこにはありました。私は雨の屋久島を満喫しました。
登山道は、川になっていた
登山道にも水が流れ、まるで川の中を歩いているようでした。小学生のとき、水たまりに飛び込んだあの幼少期の記憶がよみがえってきました。
途中の屋根のある休憩スペースでは、見ず知らずの登山者たちが自然と譲り合って雨をしのいでいました。山の中では、みんな仲間になるんですね。
長い距離を歩くイメージがあると思いますが、数字にしてみるとこんな感じです。ベテランガイドさんは疲労を最小限にするために、心拍数を130前後になるようなペースで案内してくれました。おかげで今回は、ほんの少し筋肉痛になったくらいで済みました。
私はディズニーの方が疲れます(笑)
もちろんペース配分とガイドさんのおかげが大きいのですが、「縄文杉登山は大変そう」と思っている方、意外とそうでもないかもしれませんよ。
トロッコ道を抜けると、いよいよ本格的な山道に入ります。急な斜面、雨で滑りやすく、最新の注意が必要でした。
ようやく見えてきた、縄文杉
約2時間の山道を乗り越え、ようやく縄文杉が見えてきたとき——一気に場の空気感がひんやりしました。
霧の中にありながら、力強くどっしりと構えた縄文杉。まるで暖かく私たち登山者を見守ってくれているような感じでした。
江戸時代、屋久島では年貢の米の代わりに屋久杉を納めていました。屋久杉はとても大きく太く、その重みに耐えた根は圧縮されて歪んでしまっています。
そこで昔の人は、根から3メートルほどにやぐらを組み、真っすぐ生えたところで伐採をしていました。だから屋久島の木は高い位置で切られているんです。
真っすぐきれいな屋久杉が価値があるとされた一方、縄文杉はいびつな形をしていたから切られずに残った——そう言われています。
山の男はカッコいい
下山後、ガイドさんの年齢を聞いて驚きました。1960年生まれ。
あの緊張感の中でも、山を愛し、山を知り尽くし、静かにリードしてくれる姿。私もそんな男になりたいと、心から思いました。



