塩は“味のスイッチ” ― 肉の個性をオンにする魔法 ―

お肉の教養

🧂 塩は“味のスイッチ” ― 肉の個性をオンにする魔法 ―

焼肉における塩は、ただの調味料ではありません。
塩は肉の個性を“オン”にするスイッチ
三階松では、40種類以上の塩を扱い、部位や焼き方に合わせて“最適な一振り”を提案しています。
塩ひとつで、肉の表情はまるで別人のように変わるのです。


焼く前に振る塩 ― 「旨味を引き出す」塩

焼く前の塩は、肉の内部にゆっくりと浸透し、
タンパク質を引き締めて水分と旨味を閉じ込める役割を果たします。
強火で焼いたときも脂が弾けず、しっとりと焼き上がる。
この塩は「下味」ではなく、まさに「肉の目覚まし時計」。
肉の中に眠る旨味を呼び覚ます第一歩です。

焼いた後に振る塩 ― 「香りを引き立てる」塩

焼き上がりの仕上げ塩は、香りを立たせる演出家
熱をまとった表面に振ると、塩がはじけ、ミネラル香が立ち上がります。
和牛の脂香と混ざり合うその瞬間──まさに「塩の香水」。
三階松が大切にする“記憶に残る一口”は、この仕上げ塩から生まれます。


塩の粒子と肉の関係

  • 細粒塩: 舌に早く溶ける → 脂の甘みを引き立てる(カルビ・ザブトン・三角バラ)
  • 粗粒塩: 噛むごとに砕ける → 赤身の旨味を長く感じる(ランプ・シンシン・モモ)

塩の粒の大きさが、味のテンポを作ります。
細粒塩はリズム、粗粒塩はメロディ。
同じ肉でも、塩の粒でまるで違うストーリーが生まれます。

四大塩の性格を知る

種類 特徴 相性の良い部位
海の塩 柔らかく甘みがあり、まろやかな塩味 サシ系(リブロース・ザブトン)
山の塩 ミネラル香が強く、深みのある味わい 赤身・内モモ
岩塩 シャープで後味がキレる タン・ハラミ
藻塩 旨味とコクが共演し、余韻が長い ヒレ・上ロース

三階松の塩カウンターでは、これら四系統をバランス良く揃えています。
季節限定で「黒島の塩」「坊津の華」「屋久島の塩」など、旅先の塩も登場。
「今日はどんな塩と出会えるか」──それも、三階松の楽しみ方のひとつです。


塩が変わると、同じ肉でもまるで別の表情に。

一枚の赤身が、“海の塩”では優しく、
“岩塩”では力強く、“藻塩”ではふくよかに。
塩はまるで肉の翻訳者
同じ肉でも、塩が変われば伝わる印象も全く違います。
これが三階松が提案する「塩で旅する焼肉」。
一皿で日本列島を旅するように、海と山の記憶を舌で感じてください。

「塩は“味を作る”ものじゃなく、肉の声を“聞かせる”もの。
塩を変えると、肉が違うことを教えてくれます。」
── 店主・松下

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