格付けでは測れない“個体差の奇跡”

お肉の教養

🏆 格付けでは測れない“個体差の奇跡”

「A5ランク=最高の肉」と思っていませんか?
たしかにA5は見た目が美しい。霜降りが細やかで、脂が白く輝く。
しかし──その評価基準は、実は「旨さ」ではありません。
三階松が伝えたいのは、数字の上ではなく、“口の中で感じる真実”です。


A5とは「歩留まり等級」であり、“美味しさ等級”ではない

「A5」という格付けは、枝肉からどれだけ多くの良質な肉が取れるかを示す「歩留まり等級」。
つまり、経済的な価値基準なのです。
見た目の美しさ(霜降りの細かさ)やサシの入り方が評価されますが、
食べたときの“香り・旨味・余韻”は、格付けには含まれません。

三階松では、見た目よりも「食後にどんな感情が残るか」を重視します。
そのため、A5であっても選ばない肉もあれば、A4でも仕入れる肉もあります。


同じA5でも、味は千差万別

A5という“肩書き”の中にも、個体差があります。
たとえば、肉の「融点(脂が溶ける温度)」「香りの質」「キメ(繊維の細かさ)」──。
これらは血統・飼育環境・エサ・熟成によって大きく変化します。

  • 融点: 人肌に近い30〜35℃ほどの個体は、口溶けが滑らか。
  • 香り: ナッツ香・乳香・甘香など、脂の香りに個性がある。
  • キメ: 繊維が細かく、噛むほどに旨味が滲む。

同じA5でも、舌の上で溶ける肉と、口に残る肉がある。
それが「格付けでは測れない旨さの差」です。


三階松が見るのは「等級」ではなく「口溶け」

三階松では、A5という数字を追いません。
仕入れの基準は“融点”と“香りの余韻”
脂の融点が人肌に近い個体ほど、口の中で自然に溶け、和牛香がふわりと広がります。
その“口の中の溶け方”こそが、三階松が選ぶ理由です。

「A5だから美味しい」ではなく、
「美味しいから選ぶ」──それが三階松の答えです。


“最強”とは、数字ではなく「余韻」で決まる

本当に記憶に残る焼肉は、食べた瞬間ではなく飲み込んだ後の静けさ
旨味の余韻がどれだけ長く続くか──それが“最強”の証です。
A5という肩書より、一口後の幸福を選ぶ。
それが三階松の哲学です。

「A5は“入口”です。
本当に旨い肉は、ランクではなく“感情”で覚える。
口の中で溶けた瞬間、思わず目を閉じる──それが本物のA5。」
── 店主・松下

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