「あの夜の焼肉、また行きたいね」― 二人の記念日が、三階松で変わった夜

A STORY FROM SANGAIMATU ── 記念日の夜 二人で選んだ、いつもとは違う夜。 ― 50代夫婦と、塩焼肉の記念日 ―
店主・松下より 和牛焼肉三階松、店主の松下です。
今日は、実際にご来店いただいた50代ご夫婦のお話を、物語としてお届けします。
「いつもとは違う記念日を」という、ごく普通の願いが、どんな夜をつくったのか――少しだけ覗いていただけたら嬉しいです。
第一章
「今年はちょっと、変えてみようか」

秋の気配が漂い始めた、ある夕暮れどき。
蒲郡に暮らす中山夫妻(仮名)は、テレビの前でそれぞれお茶を飲んでいた。

妻・明子「ねえ、今年の記念日さ……また同じイタリアンにする?」
夫・義雄「……そうだな。悪くはないけど、もう10年行ってるよな」
妻・明子たまには全然違うところ、行ってみたくない? お肉が食べたいな、どうせなら」
夫・義雄「焼肉……記念日に?」
妻・明子「なんか、ちゃんとしたところがあるって聞いたの。精肉店直営で、塩で食べるんだって。ちょっと調べてみようか」

明子さんがスマートフォンを開き、三階松のサイトをたどる。
昭和10年創業の精肉店。塩40種類。一人一皿ずつの会席スタイル。
「……なんか、普通の焼肉屋さんとは違うね」と義雄さんがつぶやいた。

夫・義雄「塩が40種類って、意味あるの?」
妻・明子「分からないけど……こういう”理由のある店”って、行ってみないと分からないじゃない。せっかくだから予約してみようよ」

その晩、明子さんは食べログのネット予約から「金の三階松コース・二名」と入力した。
2週間後の、二人の結婚記念日。確認メールが届いたとき、なんとなく胸が弾んだ。

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第二章
駅から歩いて3分、暖簾をくぐるまで

記念日当日。義雄さんは珍しく会社を定時に上がり、蒲郡駅の南口で明子さんと待ち合わせた。

夫・義雄「今日は早く帰れてよかった」
妻・明子「珍しい。でも嬉しいよ」

夜風のなか、二人は港町の路地をゆっくり歩いた。
看板の灯りが見えてきたとき、明子さんが「あ、ここだ」と小声で言った。

引き戸を開けると、白木のカウンターと、間接照明のあたたかい光。
焦げた炭の香りと、かすかな肉の香ばしさ。
いらっしゃいませ。ご予約の中山様でしょうか」という声が、二人をやわらかく迎えた。

掘りごたつの席へ案内されながら、義雄さんは思った。
――ちゃんとした店だ。来てよかったかもしれない。
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第三章
「焼肉ってこういうものだったの?」

コースが始まる前、スタッフが小さなトレーを運んできた。
木の器のなかに、色も粒も異なる塩が3種類並んでいる。

三階松の塩の種類
スタッフ「本日の最初のお肉には、こちらの粗塩をおすすめしています。粒感がありますので、かるくつまんで端から振っていただくと、お肉の甘みが際立ちます」
妻・明子「塩ってこんなに違うんですか?」
スタッフ「海塩・山塩で味わいが変わりますし、きめの粗さで溶け方も変わります。今日はお肉ごとにご案内しますね」

「同じ焼肉なのに、
こんなに違うものなんですね」

── 明子さんの言葉

厚切りのタンが運ばれてきた。スタッフが「強火で、触らずに待ってみてください」と言う。
義雄さんはつい裏返しそうになったが、こらえて待った。

夫・義雄「……(一口食べて)やわらかい。タンってこんなに旨いんだ」
妻・明子「塩が全然しつこくない。肉そのものの味がする気がする」

知らずに「焼肉=タレ」だと思い込んでいた。
タレで覆っていた味わいが、塩によってむしろ鮮やかに浮かび上がる——
義雄さんには、その体験が不思議と新鮮だった。

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第四章
一皿ずつ、ゆっくりと時間が積み重なっていく

金の三階松コース・全11品。
一人一皿ずつ運ばれてくるから、取り合いも急ぎもない。
義雄さんは焼くことに集中でき、明子さんは焼きすぎを心配せず話せた。

  • 本日のおまかせ5種盛当日厳選の部位。「これ、なんて部位ですか」と尋ねるたび、義雄さんが少し得意げな顔をした。
  • 希少部位・ハネシタほんの少しの塩と、山わさびを添えて。明子さんが「これが一番好きかも」と目を細めた。
  • 8時間煮込みテールスープ締めに運ばれてきた椀を両手で包んだとき、なんとなく体がほどけるようだった。義雄さんが「しみるな」と小さくつぶやいた。

会話は、仕事の話でも子どもの話でもなく、
ただ「これ美味しいね」「次はどれにする?」という、それだけのことだった。
けれどそれが、久しぶりにとても心地よかった。

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第五章
「来てよかったね」――それだけで十分な夜

店を出たのは、午後9時を少し過ぎた頃だった。
秋の夜気が気持ちよく、二人は来た路地をまた歩いて駅へ向かった。

妻・明子「来てよかったね」
夫・義雄「うん。また来ようか」
妻・明子来年も、ここにしようよ

その言葉が出たとき、義雄さんは少しだけ照れくさそうに笑った。

特別なことは何もしていない。ただ、二人でゆっくり食べて、飲んで、話した。
それなのに、不思議と心に残る夜だった。

「焼肉って、記念日に来てもいいんですね」

── 帰り際に明子さんがつぶやいた言葉
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店主・松下より
記念日という名の、いつもとちょっと違う夜を

「焼肉=カジュアル」というイメージは、少しずつ変わりつつあると感じています。

切り方、焼き方、塩の選び方。
そのひとつひとつを丁寧に重ねると、焼肉はとても繊細で豊かな料理になります。

大切な人と、急かされず、取り分けを気にせず、ただ美味しいものを味わう時間
それが三階松の記念日コースで叶えたいことです。

「この店を選んでよかった」——
ご来店のたびに、そう思っていただけるよう、今日も心を込めてお迎えします。

ご記念日のご予約、承っております

ご夫婦・カップル・大切な方との特別な一夜に。
お席やコースのご相談も、お気軽にどうぞ。

※ネット予約が満席の場合も、お電話でご案内できる場合がございます。
定休日:月曜日 / ディナー 17:00〜22:00(最終入店21:00)