今日は、実際にご来店いただいた50代ご夫婦のお話を、物語としてお届けします。
「いつもとは違う記念日を」という、ごく普通の願いが、どんな夜をつくったのか――少しだけ覗いていただけたら嬉しいです。
秋の気配が漂い始めた、ある夕暮れどき。
蒲郡に暮らす中山夫妻(仮名)は、テレビの前でそれぞれお茶を飲んでいた。
明子さんがスマートフォンを開き、三階松のサイトをたどる。
昭和10年創業の精肉店。塩40種類。一人一皿ずつの会席スタイル。
「……なんか、普通の焼肉屋さんとは違うね」と義雄さんがつぶやいた。
その晩、明子さんは食べログのネット予約から「金の三階松コース・二名」と入力した。
2週間後の、二人の結婚記念日。確認メールが届いたとき、なんとなく胸が弾んだ。
記念日当日。義雄さんは珍しく会社を定時に上がり、蒲郡駅の南口で明子さんと待ち合わせた。
夜風のなか、二人は港町の路地をゆっくり歩いた。
看板の灯りが見えてきたとき、明子さんが「あ、ここだ」と小声で言った。
焦げた炭の香りと、かすかな肉の香ばしさ。
「いらっしゃいませ。ご予約の中山様でしょうか」という声が、二人をやわらかく迎えた。
掘りごたつの席へ案内されながら、義雄さんは思った。
――ちゃんとした店だ。来てよかったかもしれない。
コースが始まる前、スタッフが小さなトレーを運んできた。
木の器のなかに、色も粒も異なる塩が3種類並んでいる。
「同じ焼肉なのに、
こんなに違うものなんですね」
厚切りのタンが運ばれてきた。スタッフが「強火で、触らずに待ってみてください」と言う。
義雄さんはつい裏返しそうになったが、こらえて待った。
知らずに「焼肉=タレ」だと思い込んでいた。
タレで覆っていた味わいが、塩によってむしろ鮮やかに浮かび上がる——
義雄さんには、その体験が不思議と新鮮だった。
金の三階松コース・全11品。
一人一皿ずつ運ばれてくるから、取り合いも急ぎもない。
義雄さんは焼くことに集中でき、明子さんは焼きすぎを心配せず話せた。
- 本日のおまかせ5種盛当日厳選の部位。「これ、なんて部位ですか」と尋ねるたび、義雄さんが少し得意げな顔をした。
- 希少部位・ハネシタほんの少しの塩と、山わさびを添えて。明子さんが「これが一番好きかも」と目を細めた。
- 8時間煮込みテールスープ締めに運ばれてきた椀を両手で包んだとき、なんとなく体がほどけるようだった。義雄さんが「しみるな」と小さくつぶやいた。
会話は、仕事の話でも子どもの話でもなく、
ただ「これ美味しいね」「次はどれにする?」という、それだけのことだった。
けれどそれが、久しぶりにとても心地よかった。
店を出たのは、午後9時を少し過ぎた頃だった。
秋の夜気が気持ちよく、二人は来た路地をまた歩いて駅へ向かった。
その言葉が出たとき、義雄さんは少しだけ照れくさそうに笑った。
特別なことは何もしていない。ただ、二人でゆっくり食べて、飲んで、話した。
それなのに、不思議と心に残る夜だった。
「焼肉って、記念日に来てもいいんですね」
── 帰り際に明子さんがつぶやいた言葉
「焼肉=カジュアル」というイメージは、少しずつ変わりつつあると感じています。
切り方、焼き方、塩の選び方。
そのひとつひとつを丁寧に重ねると、焼肉はとても繊細で豊かな料理になります。
大切な人と、急かされず、取り分けを気にせず、ただ美味しいものを味わう時間。
それが三階松の記念日コースで叶えたいことです。
「この店を選んでよかった」——
ご来店のたびに、そう思っていただけるよう、今日も心を込めてお迎えします。
ご夫婦・カップル・大切な方との特別な一夜に。
お席やコースのご相談も、お気軽にどうぞ。
※ネット予約が満席の場合も、お電話でご案内できる場合がございます。
定休日:月曜日 / ディナー 17:00〜22:00(最終入店21:00)

