🔪 三階松の焼肉こだわり|切り方の哲学
「筋肉の履歴書を読むように、肉を切る。」
「なにこれ…噛んだ瞬間、甘い…」
そう驚いたのは、三階松に初めて訪れた50代男性のお客様。
普段はタレ焼肉派だったその方が、当店の“厚切り赤身”を塩でひと口。
「脂じゃなくて、肉の旨味で感動したのは初めて」とおっしゃってくださいました。
実はこの“感動の理由”、切り方にあります。
お肉は、筋肉です。
そして筋肉には“生きてきた証”が刻まれています。
たとえば、よく動いた部位──肩・モモ・スネなどは、筋繊維が密で、旨味が濃く、歯ごたえがしっかり。
そんな部位は「薄切りにして、さっと炙る」。筋繊維を断ち、柔らかく、香り立つように仕上げます。
反対に、あまり動かさない部位──ヒレ・ロースなどは、繊維が細かく、脂も多くて淡白な味わい。
こうした部位は「厚切りで、ゆっくり焼く」。旨味を閉じ込め、脂の甘さを最大限に引き出します。
三階松の切り方は、「どれだけ柔らかく見えるか」ではなく、
「どんな味で終わってもらいたいか」で決まります。
ただの見た目じゃない。
一枚の焼肉に、「理(ことわり)」を込めて。
──部位の特長を見極める、肉のプロの仕事です。