🔪 三階松のこだわり

私の家は、代々続く精肉店でした。

幼いころ、おやつ代わりに父や祖父が作業場で切っていたお肉をもらい、自分で焼いて食べていました。
その時の味付けは、ただひとつ──塩。

「塩で食べるのが一番旨いんだ!」
そう教えられ、私は育ってきました。
大人になり、名古屋の精肉店で働くようになると、さまざまなお肉を食べる機会に恵まれました。
私は当然のように、どんなお肉にも塩をかけて食べていたのです。
しかし、どこか違和感が……
昔、家で食べていたあの味とは違うのです。
──そのお肉は「国産牛」でした。
その話を上司にしたところ、こんな言葉をいただきました。
「お肉の種類によって、味付けは変えるべきだよ」
・旨みがある黒毛和牛は “塩”
・柔らかいが旨味に欠けるお肉には “たれ”
お肉の特長に合わせて、味付けを変える。
それが、焼肉を美味しく楽しむための“本当の流儀”だったのです。
三階松に来てくださったお客さまには、私が精肉店で学んできたことをしっかりとお伝えしたい。
そして、焼肉の奥深さを、ただ食べるだけではない楽しさとして、体験していただきたいのです。
