2025年5月 店主日記
屋久島へ、息子と。
水と、塩と、焼酎のある島
旅で出会った焼酎を、三階松で
三階松では、店主が実際に旅先で出会った焼酎をご提供しています。
その土地の温もり、水、空気、そして人。
本や情報だけでは伝わらない”本物の価値”を、自分の目で見て、肌で感じ、蔵元の想いを直接受け取ってきました。
だからこそ三階松では、ただの「お酒」ではなく、“物語のある一杯”としてお届けしています。
私の原点となった旅「屋久島」
数ある旅の中でも、今でも鮮明に心に残っているのが屋久島の旅です。
もともと屋久島は、私の「人生でやりたいこと100リスト」に入っていた場所でした。
その想いがきっかけとなり、実際に足を運ぶことになります。
往復10時間の縄文杉登山。
決して楽な道のりではありませんでしたが、ガイドさんから聞いた屋久島の自然、歴史、人の話は、今でも鮮明に記憶に残っています。
ただ――
本当の感動は、言葉ではなく「その場の空気」でした。
湿度、温度、森の香り、水の透明感。
それらは、実際にその場に立たなければ決して分からないものです。
屋久島には、とにかく雨が降ります。「月に35日雨が降る」なんて言われるくらい。でもね、あの雨がすごいんです。何千年もかけて育った苔の森に吸い込まれて、岩の奥深くへしみ込んで、やがて湧き水になって地上に戻ってくる。その水が沢になり、川になり、海へと注いでいく。島全体が、ひとつの大きな水の旅をしているんです。
その水で仕込まれた焼酎があります。その川が流れ込む海で作られた塩があります。
初めてあの塩を口にしたとき、「きれい」という言葉しか出てきませんでした。雑味がないというより、余計なものが何ひとつない。島の水が、そのまま塩になったような感覚でした。焼酎も同じです。一口飲んだとき、あの森の空気がふっと頭をよぎりました。
次の世代へ繋ぐために
この体験は、自分だけのものにしてはいけない。
そう思い、今年の5月、三階松の2代目にも同じ景色を見せたいと考え、一緒に屋久島へ行くことにしました。
言葉で伝えることには限界がある。だから連れていく。あの水を飲んで、あの森の中に立って、同じ空気を吸ってほしい。それだけでいい。
これから三階松で、お肉の説明、焼酎の説明、塩の説明をしていく上で――
「体験しているかどうか」は、必ず伝わると考えています。
ただ知識を伝えるのではなく、実際に感じたものを、自分の言葉で語ること。
それが、お客様の心に残る体験になると信じています。
三階松で体験していただきたいこと
三階松で提供しているのは、単なる焼肉でも、単なるお酒でもありません。
「旅の記憶」と「土地の物語」を味わう体験です。
島の清水で仕込んだ、
まっすぐな一杯。
苔の森を抜けてきた、
雑味のない湧き水。
清流が注ぎ込む海から
生まれた、きれいな塩。
焼酎を一口飲んだとき、その奥にある風景を少しでも感じていただけたら嬉しいです。


